卒園アルバム制作のヒント
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2023.7.30
園の先生による卒園アルバム用写真撮影でオススメしたいポイント5つ
唐突ですが、卒園アルバムに使用する写真を「撮影する人」の比率はおよそ次の通りです。
- 1.園の先生:70%
- 2.保護者:20%
- 3.カメラマン:10%
以外に思われたかもしれません。
写真販売用のカメラマン撮影の写真は規約上、譲り受けることができず、販売でデータ購入しても「低解像度化」されてるため卒アル印刷には不向きなのです。
恐らく撮影に寛容な園であっても、何かのイベントのたびに密着撮影を許すほど保育に余裕はないと思われます。
全体の7割を占める「先生の写真」ですが、撮影する「先生」自体も写真には悩みがあるものです。
先生からアルバム使用の写真が送付されてくる際「あまりいい写真が無くて数が少ないんですが…」とか、「撮る時は<今のショットは神写真だな>と確信するもパソコンでみるとなんかパッとしないんですよね」など、写真の出来に納得していないことが大変多いのが事実です。
「どうやったらプロみたいに撮れるんですかね?」と相談されることもままあり、この相談には「試練を積むしかありません(実際にカメラマンからの回答です)-笑-」としか言いようがなく歯痒さが残ります。
そこで、私どもキッズドン!と提携しているカメラマンに「園の先生が難しいテクニックを必要とせず、ちょっとした工夫で、印象良く見える撮影方法」をヒアリング。
その内容をご紹介します。
- 保育多忙のかたわらでも良い写真を撮る方法が知りたい
- 良い写真はカメラの性能によるところが大きい?
- 卒園アルバム用の写真撮影って何かポイントある?
目次
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
今回は、園の先生による卒園アルバム用写真撮影でオススメしたいポイントを5つご紹介します。
その内容は下の5つです。
- 1.遠からず近すぎず
- 2.ミラーレス一眼を購入
- 3.ちょっとだけ高い場所から撮影
- 4.外付ストロボにチャレンジ
- 5.撮った写真を園児に見せる
写真苦手の先生が高品質写真を量産するに至った理由
以前、とてもクオリティの高い写真を撮影されてる先生がいらっしゃり、写真についてお話しをする機会をいただきました。
「先生は写真が以前からご趣味だったのでしょうか?」と質問すると意外な回答が…。
「写真撮影を始めたのはこの保育園に入ってからといっても過言ではありません。
実はそれまで写真には一切興味もなく、むしろ撮影が「苦手」の部類で、スマホで撮るものも旅行のちょっとした記録程度でした。
保育園に勤務しだした直後に「記録程度でいいから合間をとって撮影して」と主任から命じられ、何気なしに撮っていました。
写真に興味も無いし、目的もない「ながら撮影」でしたので、撮影結果はお世辞にも「良い写真」と呼べるものは皆無。
少しして使っていたカメラが故障。修理相談するも「買い換えた方が良い」と診断され、園長の許可をいただいてワイドからズームまでカバーする「ミラーレス一眼」を購入しました。
ここから僕の写真人生が始まりました(笑)。以前使用していた10年選手のコンパクトデジタルカメラとは雲泥の差で、ちょっと大袈裟ですが撮るもの撮るものアートのような写りだったんです。
特段テクニックを使用したわけでなく、設定はフルオートにしたまま。にもかかわらず、とても明るく、奥行きがあってブレが無く、しっかりと園児をとらえている。
こうなると撮影が楽しくなり、積極的に撮影の機会を増やして今に至るというわけです。
良い写真が撮れたという経験が大切
先生のお話しから「高品質な写真が撮れた」ことがきっかけに、より深く「写真撮影」に興味を持つようになり、そこから名作が生まれ続けているのがわかります。
もちろん「機材の性能」によるところもありますが、まずは「良い写真が撮れた」という体験を多く積むことが大切であると言えます。
そんな、この先生の教訓談話を踏まえて5つのポイントを紹介してまいります。
1.遠からず近すぎず
これはカメラのレンズを園児に向けて、園児をどのくらいのサイズで撮影するかを意味しています。
「最高傑作の一枚を撮るぞ!」と意気込み、園児を接写で撮影したり傾き撮影をしたりと、その撮影で「作品」を作ろうとすると、後の使用用途に不向きとなる場合があります。例えば、
- 1.切り抜きをしたくても頭半分と膝下がフレームアウトしてるので使えない
- 2.円形フレームでトリミングしたいも天地左右に余白がないためできない
- 3.被写体が遠すぎて編集でズームしようにも画質劣化が起きる
- 4.被写体が遠すぎてストロボの光が届いておらず暗い
上記を補うには「レンズに収める被写体は遠からず近すぎず」に収めるのがベストということになり、次のような効果があります。
切り抜きしやすくなる
仮に写真を切り抜いて使用を計画してる場合、全身に近い形で撮影されてる方が「絵」になりやすい特徴があります。
直立不動より「動きのあるポーズ」の方がアルバム紙面に華を持たすことができるので、より全体を入れての撮影をお勧めします。
トリミングの自由度が広がる
編集段階で、写真を引いたり寄ったりしてベストな見え方に調整する場合、人物の天地左右にある程度空間の余裕があると、処理がしやすいです。
ですが遠すぎると上でお話ししたように、ズームすることで画質劣化が起きますので注意が必要です。
「デジタルだからどんなに小さく写っていてもズームアップで綺麗に大きくできる」ということは絶対にありません。
撮影時点では「フツーの見え方」で撮るのが大切というお話しでした。
2.ミラーレス一眼を購入
園のご予算が許すのであれば、ぜひ「ミラーレス一眼レフ」の購入をご検討ください。
前述した写真苦手の先生が高品質写真を量産するようになった談話で先生は、「ミラーレス一眼との出会いが写真への認識を変えた」と断言しています。
軽量でコンパクト、シチュエーションに応じたレンズ交換が可能、外付けストロボの接続ができる、連写スピードが高速、そして何より高画質…など、動きの早い園児撮影に最もふさわしい撮影機種と言えます。
道具が7割と良く言われるように、やはり優れた機材の入手が「良い写真を撮る」最短ルートになるでしょう。
軽量コンパクトの視点でいくつかミラーレス一眼を紹介します。
(カメラの写真をクリックするとAmazonの販売サイトにリンクされますが、商品の販売斡旋を目的にはしておりません。あらかじめご理解ください。)
Canon ミラーレス一眼カメラ EOS M200 標準ズームキット
手のひらに収まるサイズ感と、メモリーカード・バッテリーを含めても300gを下回る軽さは、ミラーレス一眼の中でも特に携帯性の面で優れた点が特徴です。
標準レンズキットに付属されている「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」は明るくダイナミックな構図で撮影することができます。
OLYMPUS PEN E-P7 14-42mm EZレンズキット
昭和の時代に流行したカメラのようなレトロデザインは、女性に人気を得ています。
幅広く奥行きまでしっかりピントを捉える広角から標準をカバーするズームレンズキットが標準装備され、選ぶだけで写真の印象を変えることができる「アートフィルター」機能はこの機種のウリとなっています。
パナソニック ミラーレス一眼カメラ ルミックス GF10 ダブルレンズキット
パナソニックが展開するデジタルカメラブランド「LUMIX」のミラーレス版。メモリーカード・バッテリーを含めて約270グラムは最軽量値に当たります。
携帯性に優れた標準ズームレンズと、柔らかいボケ味を演出できる単焦点レンズの2つが標準装備されています。
SONY α6400
ミラーレス一眼市場において王道の「ソニー」。
大型のAPS-Cセンサーを搭載し高画質の点でライバルより一歩抜きん出ています。
上位モデル譲りの高速かつ正確なAF(オートフォーカス)性能を特徴としており、AIを利用したトラッキング性能(被写体を常にジャストピントで追従する)がこの機種の魅力です。
コンパクトデジタルカメラじゃだめなの?
昨今コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)といえどミラーレスに勝るとも劣らぬ性能を持つ機種があり、携帯性ではコンデジが優れてることから、購入を迷われるかもしれません。
今回ミラーレスをお勧めしたのは、レンズ交換ができたり、外付けストロボをマウントできたりといった汎用性と、園の日常を撮影するための機能性を考慮しての理由です。
用途に合わせて選択をご検討ください。
3.ちょっとだけ高い場所から撮影
視点を変えるだけで写真の表現が広がります。
いつもうつむきがちな園児も「上からの撮影」であれば明るい笑顔で見上げてくれるでしょう。
高さを確保する道具は「園児用の椅子」「園にある脚立」「バルコニーから園庭」「運動会開催体育館のキャットウォーク」など様々で、ちょっと高いからすごーく高いまで色々お試しください。
椅子に立って楽しそうにカメラを見上げる園児を撮る、クラスのはじに脚立を立てて給食や食育のシーンをクラス全体で撮影、園庭で人文字を作る園児をバルコニーから撮影など、少し非日常的な画を収めることができます。
4.外付ストロボにチャレンジ
プロカメラマンの写真を見てどのような印象を持つでしょうか。
きっと「明るさが確保できていて自然な仕上がり」ではないでしょうか。
この印象を作り上げてる小道具が「外付けストロボ」です。
直接人物に向けて発光しない
カメラマンが一眼レフに外付けストロボを装着し、ストロボ発光部を天井に向けてシャッターを切ってるシーンを見た事はありませんでしょうか。
つまり光が「天井」に向けて放たれてるものです。
これは直接人物に向けてストロボを炊くと、被写体全体が光に包まれることから「陰影による立体感」が失われてしまうことを防ぐ方法とされています。
「バウンス撮影」と言って光を天井にぶつけ、その反射が優しい光となって被写体に降り注ぎます。
上部からの光ですので自然な立体感が生まれ、プロが撮影した印象に近づきます。
純正でなくサードパーティ品であれば8,000円から10,000円程度で購入可能です。
高品位な写真を確保するためであればコストパフォーマンスは十分高いと言えるでしょう。
屋外でもストロボ撮影
日照の強い公園などで、非常に明るい部分と、建物や木陰で日陰となってる部分が一緒にファインダー内に収まる構図があります。
これをオートで撮影する場合「明るい部分を最適露出に設定」されることから、暗い部分は極端に暗くなり顔が認識できない場合もあります。
これを補うのがストロボです。天井がないので前述の「バウンス」は使えないにせよ「光」が必要となります。
このような時便利なのが「ストロボディフューザー」です。
優しい光に変えるディフューザー
プラスチック製の乳白のケースをストロボ発光部にかぶせて使用します。
これにより強い光が柔らかい光となって被写体に届き、立体感を損なわずに撮影ができます。
ちなみにカメラマンはこのディフューザーを装着して「バウンス撮影」を行うのが定番です。
ディフューザーがあれば曇りの日や、プールなどで極端に露出が撮られるシーンなどで「自然な雰囲気」な撮影が可能となるでしょう。
ディフューザーは自作でも作れるということで以前評判になりました。Youtube等でも制作方法が紹介されています。
(最悪レジ袋を切り取ってストロボにセロテープで貼り付けるなんていうのもありましたね-笑-)
5.撮った写真を園児に見せる
撮影した写真をモニターで見せる、紙焼きプリントで見せる、クラウドでのデジタルアルバムサービスを利用し各家庭で見ていただく、など園児に自分の姿を継続的に見せる仕組みを作ります。
園児は自分自身を客観的に見れるようになり、これを繰り返すと「撮られる意識」が自然と働いて「あうん」の呼吸でいい写真が撮る事ができます。
おわりに
今回は「園の先生による卒園アルバム用写真撮影でオススメしたいポイントを5つ」紹介しました。
1.遠からず近すぎず
2.ミラーレス一眼を購入
3.ちょっとだけ高い場所から撮影
4.外付ストロボにチャレンジ
5.撮った写真を園児に見せる
となるわけですが、確実な方法としては「ミラーレス一眼購入」と「外付けストロボ入手」でしょうか。
私はカメラや付属品のセールスを目的としてるわけでないので、誤解いただきたくないのですが、「ミラーレスに変えてよかった」「ミラーレス導入前後で差がありすぎる」といった先生からの声を聞くと、未だ写真品質に困ってる先生にはぜひとも採用していただきたいというのが率直な感想です。
決して卒園アルバムに使用するという目的でなく、日頃の記録を「最高の品質(しかっりとその園児の表情が表現されている)」で残す意図として、ある程度の性能を持つ機種は必要かと思うのです。
どうか素敵な写真に溢れ、園児のイキイキとした姿をお残しください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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