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2021.9.11
ゼロから分かる「はじめての卒園アルバムの作り方」(写真選定編)
卒園アルバム担当になったけど、何から手をつけて良いやらわからない…どんな準備をして、どう進めれば良いかをシリーズ3回に分けて解説しています。
この記事をご覧になることにより、基礎的な知識が付くことで不安がなくなり、みんなが喜ぶ卒アルをつくるぞ…と常に高い目標が持てるはずです。
- 何から手をつけて良いかわからない
- 写真選定の注意点
- 何枚くらい選べばいいの?
- 写真の共有方法
- カメラマンの手配は必要?
目次
クオリティの大半が決まる写真選定
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
今回は「アルバムに使用する写真を選ぶ工程」を順番に見ていく写真選定編です。
写真選定は、アルバムクオリティの大半を決定付けるほど重要な作業です。
一見(いっけん)撮り貯めた写真から写りの良いものを選ぶだけ…といった単純作業に見えるかもしれませんが、実際には想像以上の労力と神経を使う作業です。
撮影者の写真の特色
いろいろな場所に存在してる写真を一箇所に集める作業がはじめの一歩となります。
写真の撮影者は「保護者・カメラマン・先生」が大半ですが、それぞれ気に留めておきたい特色があります。
保護者
アルバム委員が専任で撮影する以外に、委員以外の保護者が撮影したベストショットを募り、それも併せてアルバム掲載候補とるすケースが増えてきています。
スマホのカメラ機能の進化に伴い、誰もが手軽に美しい写真を収める時代になり、恐らく全ての保護者が我が子を中心に写真撮影をしていることでしょう。
委員の撮影だけだと、どうしても「撮りこぼし」があり、その補填として保護者の写真を借用するという手段です。
基本は専任撮影者の写真を使用し、不足分を後から保護者に募る形式をとり、掲載されない場合もあることを前提にお願いをします。
ベストショットは誰もが人に見せたいものです。より良い写真が多く集まることでそのページのクオリティが上がるでしょう。
カメラマン
以前は高嶺の花でしたが、ここ数年でカメラマン派遣の料金はかなり低価格化してきています。
カメラマンの撮影する写真は、やはり素人のそれとは一線を画します。構図、逃さぬ園児の笑顔、ボケをうまく使った演出、明るさ、色あいなどなど。ハイライトとなる園の行事だけの採用えもいいですね。
そして次の2点が注目ポイントです。
写真の精度はさることながら、一番の長所は、写真撮影担当のアルバム委員も行事における我が子の姿を、そのまま見ることができることでしょう。
撮影担当となると、どうしても園児全員をくまなく撮影する主旨から、我が子の姿に集中できないというジレンマがあります。
カメラマンを派遣すれば、要所の撮影だけを行い、じっくりと成長の姿を観覧し、そして応援することができます。
カメラマンが撮影した写真は、よほどのことが無い限り、その場や翌日といったスピード納品はまずかないません。
カメラマンは撮り貯めた膨大な写真から、自信を持って治めることができるベストショットを選定し、場合によっては補正やサイズ変更を行う等の作業を施します。
これにより長いところでは1ヶ月ほど先の納期となる場合もあるため、その納品時期を見越して、制作予定等を立てる必要があります。
先生
先生の撮影は「良い写真を撮る」より「記録を残す」主旨が強いと言えます。
このことから次の点に留意したいです。
先生は、当然ながら多忙を極める保育をしつつ、その合間をぬって写真撮影を行っています。
そのわずかな撮影に、構図を考えたり園児に笑顔を誘導したり、撮影設定を吟味したりなど出来るはずがありません。
このことから、ハッとさせられるような「画」を求めることはできず、限られたショットの中から選定するのだと割り切るべきでしょう。
撮影枚数を稼ぐ方法として「記録画質」を下げることでそれが実現します。
先生のカメラの大半は、低い記録画質の設定になっています。
記録画質が「L(ラージ)」よりも「S(スモール)」の方がより多くの枚数が撮影できるのです。ここでの問題として、記録画質が低い(小さい)と、印刷に推奨される解像度に満たない場合があるということです。
これにより、もし保護者やカメラマン撮影禁止の園で、先生撮影写真をアルバムに採用する際、可能な範囲で「大きめの記録画質サイズ」でお願いをするか、SDカードをお渡しし、同様の依頼を行うことを交渉してみると良いでしょう。
写真収集
[前述した写真を収集する方法は大きく分けて3通りあります。
- 1.クラウドサービスで共有
- 2.メディアにコピー
- 3.プリント写真をスキャン
詳しく説明します。
クラウドサービスで共有
クラウドとはネット上に置かれているサーバーを示し、そこに保管されてるデータを特定の人が共有できるシステムです。
パソコン、スマホ、タブレット等の端末からアクセスができます。代表的なクラウドサービスの特徴を挙げてみます。
Googleフォト
利用率が高いのがGoogleフォト。無料で最大15GB(ギガバイト)の保管と共有が可能であり、さらにアップロード時の圧縮において、解像度に支障がほぼ無いといった点で、アルバム制作担当者には重宝しているクラウドサービスです。
アップロード時に画質が圧縮されますが、品質にはさほど影響は無いことから安心して使用できるサービスと言えます。
ネット上には様々なクラウドサービスが存在しますが、使用に当たっては、この「アップ時に画質圧縮」を含めて次の2つのポイントに注意してください。
- アップロードの際に圧縮がかかることにより、その写真は印刷に対応できる解像度を保持できてるか
- スマホに対応しているか(スマートフォン撮影が主たため直接アクセルできるかが鍵となる)
LINE
LINEは保護者全員が所有してることから、一見収集に便利と思われがちですが、下記の注意が必要です。
写真の収集と共有という点でLINEアルバムは最適ですが、ここの保管されてる写真は「印刷」にはふさわしく無い解像度になってることがほとんどです。
撮影した写真をLINEアルバムにアップすると、強制的に圧縮がかかり、元画像の15分の1程度までサイズダウンとなります。
これにより高画質写真が必要となるアルバム印刷にした場合、ジャギー(カクカクして見える)やにじみが浮き出て見える「画質劣化」を引き起こします。
モニターではきれいに見えていても、印刷では使用を避けるべき画像かもしれないということをまずお含みおきください。
LINEを使用して高画質画像をやりとりする方法は2つあります。
- 1.トークに「オリジナル画質ボタン」をタップして送信
- 2.アップの際「高画質」でLINEアルバムにアップする
トークであればオリジナルの画質のまま送受信ができる機能です。ですが、送信時間がかかる、トークから保存する手間がかかるといったデメリットも生じます。
LINEアルバムに公開する際に「圧縮されることを前提」として高画質を選択するというものです。
高画質であれば、仮に15分の1サイズになっても、小型のアルバム掲載であれば使用できるかもしれません。
はあくまでも可能性の方法ですので、一度使用する全てのスマホから一連のアクションを行い、その画像を原稿に掲載してみて、使用できるかの検証を行うことが必要です。不安でしたら業者に検証を依頼しましょう。
この他クラウドサービスの紹介や、使用上の注意点を下記のブログにまとめています。併せてご覧ください。
USBなどのメディア使用
ネットを使用したくない、都合によりその方法を選択できない方もいらっしゃるでしょう。その際はUSBメモリー、CD、SDカード等の「記憶媒体」にコピーを行い、オフライン上で手渡しをします。
アルバム委員同士での共有はありませんが、画質が落ちることもなく、クラウドからダウンロードする手間もないことを考えれば、先進的方法でなくとも、最も効果的なのかもしれません。
その場合の選定方法
下の2ケースをご覧ください。
1名が「写真選定専任」の場合、その委員に全ての候補となる写真が集約され、行事ごとに取捨選択を行う形となります。
複数の委員が、それぞれ「担当制」で行う場合は、まず一箇所のパソコンに、全ての写真を集め、そのパソコン所有者が「行事ごとに区分け」し、区分けされたファイルを、各担当者のメディアにコピーして渡す方法がお勧めです。
私がお勧めするのは「専任で決める」方式です。
全員で写真1点1点を眺め「採用-不採用」を決めていくには膨大な時間がかかります。ある人は採用-ある人は不採用となった場合、そこに議論が生まれ、さらに時間が経過していきます。
果たしてそのような潤沢な時間が皆さんあるのでしょうか。
このことから、行事ごとに専任を決め、一任で取捨選択を行う、選んだ写真に対して異論を述べないとすることが、卒アル制作を成功させる方法と思います。
選択する写真点数・内容・注意点
>選択する写真点数
1ページ20点前後の掲載を推奨
写真点数は、仮に全ての写真を「四角・丸」で掲載するとして、1ページつにつき「上限20枚前後」をお勧めしています。
この数は写真に「大中小」のメリハリをつけても、1点1点の表情が読み取れる枚数としてキッズドン!が提言してる数です。
実際には「あれも載せたい、これも載せたい」で枚数が膨れ上がります。写真選定は引き算ですので、ここからいかにポイントを絞り込んで枚数を減少させるかが大切な作業となります。
見やすさを意識して選考
切り抜きを中心とした構成の場合、もう少し枚数を増やしても良いと思いますが、切り抜きにしても、四角・丸にしても、大切なのは「見やすいかどうか」です。
「賑やかに出来る限りの写真を詰め込もう」「切り貼りを多くしてかわいらしさを演出しよう」等の意気込みは素晴らしいと思うのですが、それにより写真に映る園児の表情が前に出てこなかったり、奇をてらい過ぎて意図するところが伝わらないのであれば、本来の「アルバム」としての意味が問われることとなります。
先ほど「上限20枚前後がお勧め」と記しました。この「上限」がポイントであり、写真は点数が少ないほど、実は見る側にインパクトを与えるものです。
シンプルは人の心に響きます。現実としてそうもいかないのが卒園アルバムですが、このポイントに留意して選定してはいかがでしょうか。
>選択する写真内容
まとまりのある写真構成は
- 集合1割
- 3〜4名6割
- 個人3割
の比率が良いとされます。前述で「上限20枚前後」をお勧め…としましたが、この写真全てが集合写真であったり、複数のグループであった場合、総合の被写体数が多いことから煩雑的な雰囲気となるでしょう。
またメリハリが効かない点でもあまりお勧めできません。難しいとこではありますが、なるべくシンプルにまとめあげることが大切と言えます。
>選択する時の注意点
切り抜きをする際、その対象は「全身」で移り、なるべく動きがある内容を選択すると、原稿上で映えます。
仮に切り抜きに「腰より上のアングルで正面むいてピースしてるポーズ」写真を採用したとします。
切り抜き後は、写真下部に「底辺」ができることと、長方形的な形となることから、何か置物が置かれてるような「とってつけた感」の印象を与えることとなります。
一方「全身+アクション」写真は、そのページに躍動感を与え、意図的に使用してることが直感的にうかがえるため、活きた切り抜きとなるのです。
写真点数が膨れ上がり削減できない場合、前述の通り、出来るかぎる1枚に映る被写体の数を少なくすることです。
これとは逆に掲載点数が少ない場合は、積極的に大人数で映る写真を採用して良いでしょう(少なくても全く問題ありません)。
少ない枚数で構成するメリットをテーマにした記事があります。
公平性を考慮
卒園アルバムの命題とも言えるのが、写真掲載の「公平性」です。
分かっていても「たくさん写っている園児」「引っ込みじあんでほとんど写ってない園児」なども問題もあり、悩ましい問題です。
公平性を保ために3つの方法があります。
- 1.その行事ごとに公平掲載する
- 2.全ページトータルで公平掲載する
- 3.個人別ページを設け、それ以外は「およそ」の公平とする
3.は1冊づつそのページが異なる「個人別ページ」を想定しています。
個人別ページはその名の通り、該当する園児を中心としたスペシャルページであり、仮に20冊の注文の場合、全冊特定のページが違う体裁となります。
これを行うメリットは、その個人ページによって「その園児オリジナルの一冊」というステイタスが成り立つことから、他ページでの公平バランスが多少欠如していても、問題が後々起こりにくいという点になります。
キッズドン!では一部のアルバムで個人別ページが標準仕様となっています。
新しく撮影する必要のある写真とは
卒園アルバムのために「あえて撮影」を行ったほうが良いと思うことがあります。
次の3点をご覧ください。
例えば、卒園生一同紹介ページなどは、園児全員がフォーマット化された枠に掲載されることから、写真品質に対して比較が生まれやすくなります。
このため、同じ場所、同じアングル、同じ明るさで全員を撮影した内容のほうが、間違いがないとされています。
先生の個人ごとの写真や集合写真も、その年代の先生方を残す方が良いため、改めて撮影されたほうが良いでしょう。
表紙に集合写真を掲載する場合も、行事からの流用ではなく「表紙用」写真の撮影をお勧めします。できれは園庭や園の雰囲気がわかる背景での撮影が良いでしょう。
写真選定は業者にはできない
写真選定はアルバム委員や、担当の先生以外に行うことができません。
それは園児への「様々な想い」を込めながらでなくては成し得ることのできない作業だからです。
端から見れば何の変哲もない写真であっても、担当者が見れば、その写真に写るドラマ(情景)を見出すことができます。
写りが良い、全員が笑顔という基準だけでなく、見る方がアルバムを見て、大いに共感できる内容こそ大切だと思います。
選定作業中は、あまりの写真点数を前にして、心が折れそうになることもあるでしょう。ですが、この選定こそが「卒園アルバム制作」の真髄でもあります。
作業をため込んで集中させるよりも、早めに行動し、無理なく少しづつ選定するのが良いでしょう。
おわりに
ゼロからわかる「はじめての卒園アルバム」と題してお届けしてるシリーズ2回目は、写真選定の注意点とその方法について触れました。
この選定がアルバムクオリティの大半を占めると言っても過言ではありません。
ぜひ、アルバムを見る方にとって素敵な写真を選定いただき、次のステップにお進みください。尚、第三回は「作業の担当者を決めよう」編です。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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