卒園アルバム制作のヒント
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2022.9.4
卒園アルバム制作で起こりがちなクレーム10選と対処方
今回は卒園アルバム制作で起こりがちなクレーム=苦情のお話しをいたします。
アルバムの形体や構成内容に対するクレーム…
制作過程での保護者協力の依頼に対するクレーム…
完成品配布後におけるクレーム…
など、卒園アルバムには大なり小なり何らかのクレームがつきものです。
今回のお話しの内容を意識して制作されることにより、クレームを最小限に抑えることが出来れば幸いです。
- 卒アル制作はクレームが多いと聞くけど
- 何に気をつけて行動すれば良い?
- クレームの対処方法が知りたい
- 一番多いクレームは?
目次
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
クレームが発生する原因は様々です。
今回紹介する内容も、日頃から保護者間で良好なコミュニケーションが取れていれば、心の中に留めてクレームとして口をつかないこともあります。
反対に、対立関係が常態化している関係であれば、ほんの些細なこともクレームと化して問題となるかもしれません。
いずれにしてもクレームの内容を把握しておき、回避することに努めておくことは、アルバム制作担当者としては必要な課題と言えますでしょう。
それでは「起こりがちな10のクレーム」を順番に紹介いたします。
1.届かない
卒園アルバムの配布を「卒園式後」にした場合、保護者への「アルバム配布時期」は「7月下旬から8月下旬を予定」といったアバウトなアナウンスになりがちです。
このアバウトな納品時期を過ぎても届かない、アバウトな時期に差し掛かったにも関わらず委員より確定日の通達が無い…といった事象が起こるケースがあります。
恐らく担当者は、在園中に次のような予定を立てたと思います。
- 4月中旬:卒園式の写真受け取り
- 5月中旬:卒園式を含める全ページ制作を完工
- 6月上旬:印刷製本業者と原稿内容のすり合わせ完了
- 7月中旬:アルバム完成
- 7月下旬:ここまでに各保護者世帯へ送付
一見ゆとりある予定に見えますが、この計画から遅延が発生するのには次のような原因があります。
- 制作者の極端なモチベーション低下
- ゴールデンウィーク期間の業者休業が影響
- 校了間際での誤り発見に伴うやり直し
この中で最も多い原因は「モチベーション低下」です。
卒園後にモチベーションは極端に低下する
再三キッズドン!のブログでも取り上げていますが、卒園式を過ぎ、小学校へ就学すると、あれぼど思入れのあった園への気持ちはウソのように過去のものとなります。
さらに就学にまつわる数々の事務的処理や、我が子のケアが重なり、それこそ卒園アルバム制作どころでは無くなってしまいます。
このことから完成は日に日に遠のき、納期が遅れる顛末となるのです。
出来る限り在園中に仕上げておく
対処としては、士気が高い在園中に出来るだけの制作を済ましておき、卒園後は「卒園式」のみを制作する計画をお勧めします。
これに関連してカメラマンを卒園式に派遣する場合、出来るだけ短納期のお願いをし、迅速に制作に入れるよう仕向けると良いでしょう。
関連ブログがございます。
重要なのは保護者への段階的な通知
- 制作が完了し現在最終確認中です
- 全ての原稿を業者に入校しました
- 印刷は順調に進んでおり納期は8月上旬予定です
- アルバムが完成しました。この後各世帯へ発送します
といった様に、進捗の段階を踏んで保護者にLINE等で通達することが最も重要なことと言えます。
当然アクシデントにより「遅延発生」の場合は、通常進行より、通達の重要性が高まります。
「遅れます」とはなかなか言いにくい事であるのは重々察しますが、これを怠ると保護者からの信頼を失い、大きなクレームに発展することが予想されます。
「アルバムが届かない」と問い合わせを受ける以前にアクションする事が大切と言えましょう。
2.氏名の誤植
「あれだけ穴が開くくらい確認したのに…」と唖然となってしまうのが「氏名誤植」の指摘を受けた瞬間です。
そのページだけを擦り直して、謝ったページと差し替えすることもできません。
その誤植訂正のためだけに「全冊印刷製本し直し」は現実的ではありません。
この誤植対応は、誤りの表記をしてしまった園児の保護者の意向に左右されるところが大きいですが、一般的な対処は「シール」対応となります。
シールで誤りの部分を覆う
シールに正しい氏名表記を行い、そのシールを「誤り表記の該当者」もしくは「卒園生全員」に送付し、事情を説明したお手紙を添えて送ります。
または該当者へは「正式な表記にし直したアルバムを1冊増刷して送付」し、その他の卒園生はシール対応という方法もあります。
増刷は割高となりますので、委員間での予算都合等と合わせて協議する必要があります。
誤植を未然に防ぐ方法
前述で「あれだけ穴が開くくらい確認したのに…」と記しましたが、起こるときには起きてしまうのが誤植の怖さです。
少しでもこのリスクを回避する方法を挙げてみます。
- ひらがな表記
- 氏名表記の背景は無地
- 校正担当者を3名で
- 旧漢字表記が必要な際はその旨補足いただく
ひらがな表記
ひらがな表記は「卒園アルバム」ならではの許される表現方法です。
これとは反対に「漢字+ふりがな」とした場合、誤植のリスクは格段に跳ね上がります。
であれば、ひらがな表記でリスクを低減させ、かわいらしさを押し出す意図として採用してはいかがでしょうか。
ちなみに、ひらがなでも「読み違え」がありますので十分ご注意ください。
氏名表記の背景は無地
万が一誤植があり、シールで対応する場合、氏名の背景が複雑なデザインであったり、着色の場合、シールの無地色とうまくマッチングしません。
このことから氏名背景を無地として万が一に備えるのも一つの手と言えます。
校正担当者を3名で
卒アル制作がページ担当制であったとしても、文字校正は複数のメンバーで念を入れることをお勧めします。
この校正を見る際は、Aさんは左ページ上から右ページ下に掛けて確認、Bさんは右ページ下から左ページ上に向かって確認…といったように着眼点を変えて見ていくと、より誤りを発見できるといいます。
旧漢字表記が必要な際はその旨補足いただく
最も多い所では「高」と「髙」、その他「崎」や「柳」など旧漢字表記を希望されることがあります。
これに対して、あらかじめ氏名漢字を確認する通達の際「旧漢字使用の方はその旨お伝えください」とアナウンスすると良いでしょう。
そして「旧漢字使用」の園児リストを設けて、校正の際は入念にその部分を確認します。
3.アルバム料金が高い
アルバム制作以前の段階におけるクレームとして「アルバム料金が高額」という問い合わせが挙げられます。
委員が高額化を希望する理由
昨年のアルバムと同様の仕様で、ほぼ同額であれば、この問題は起きにくいのですが、次の様なケースで高額となった場合は注意が必要となります。
- アルバムタイプをグレードアップ
- ページ数増量
- 高品質印刷の業者に変更
- ハンドメイドの手作り方式に変更
アルバムタイプをグレードアップ
例えば昨年までが女性のファッション誌や教科書のような「ブック型(くるみ製本や中綴じ製本)」であったのに対し、今年は「豪華にハードカバー」としたい…というような状況です。
ページ数増量
昨年の24ページに対し、今年は48ページで「園の思い出全てを網羅する」といった変更を示します。
ページ数が増えれば、それなりに金額は高額となります。
高品質印刷の業者に変更
印刷業者はマシンの進化も相まって、年々印刷精度が進化しています。
昨年までは「チラシや旅行パンフレットに似た普通の印刷」だったのに対し、今年は目を奪われるほどの高精細印刷仕様にする計画に「まった」が掛かる例です。
ハンドメイドの手作り方式に変更
アルバムに思いを込めたい、ハンドメイドで温かみを演出したい…などの理由から、1冊づつ手作りのアルバムを計画されることは少なくありません。
一見、印刷製本を外部委託しないことからローコストで済みそうですが、様々な材料を揃えて積算すると、印刷のそれよりも高額になる場合があります。
高額に対するクレームの根源
上に挙げた高額化となる要因は、アルバム委員の「強い思い入れ」と言っても過言ではありません。
今までよりも良いものを作って子供に喜んでもらいたい、生涯の記念誌だから値が張っても納得していただけるだろう、誰もが満足するオンリーワンのアルバムを作りたい… などの高まる思いと情熱には頭が下がる思いです。
ですが、辛辣ながらそう思うのはアルバム委員だけで、委員以外の保護者はそこまで追い求めていないのが現実です。
ハードカバーでなくても、ページ数が少なくとも、それなりの形となっていればいい
高精細品質なのは嬉しいが、料金を高くしてまでやるものではない。
手作りアルバムの良さは分かるが、それ故高額となり、さらには委員の膨大な作業量は、他の役員との仕事量のバランスが合わなく大変すぎる…
などの意見が大半だと想定しといた方が良いでしょう。
このことから、昨年以上の料金を設定するのはよほどのことが無い限り難しいと踏まえ、今年度の計画を行う必要があります。
高額が許される例
- 昨年の業者のルールだと仕事量が多くストレスになる
- 昨年までの業者が休業となった
- 委員で制作するには時間の限界があり業者制作に切り替えたい
- 園行事の写真は各家庭で所有してることからフリースペースの多い手作りタイプにしたい
つまり、昨年まで「問題」となっていたことや、今を取り巻く「生活環境」の変化に対する解決方法として、アルバムが高額化となるには賛同を得やすいと言えます。
アルバムを不要とされる方に向けた対応をテーマにした記事がありますので、併せてご参照ください。
4.保護者へ依頼する素材提供について
個人ページや卒園文集に掲載するための「写真・メッセージ・作品」などの、いわゆる「素材」提供についてもクレームを受けやすいと言えます。
提出期限が短い
最も多いのは「提出期限までの期間が短い」という点です。
例として下記のような、委員から保護者に宛てた通達があったとします。
- 個人ページを一人に対し1/2ページで制作するので、乳児期の写真1点、入園の写真1点、年長の写真1点、親から子のメッセージを200文字以内、園で好きだった遊びを絵に描いて、アルバム委員まで提出願います。
ごく一般的な提出要請ですが、この素材提供の期間を「2週間以内」などと短期間とすると、クレームへと繋がる可能性が出てきます。
前章でお話しした通り、保護者はアルバム委員ほどの「卒園アルバムに対する熱量」はありません。
仕事と日々の生活に奔走し、自分の時間は皆無に等しい日常に、上に挙げた「探し物」と「創作」に手間を掛けることは相当の負担となります。
- 日頃写真に興味なく探すのに一苦労
- メッセージが苦手
- 他人に文章や直筆を見られたくない
- こどもの絵のうまい・へたが比較されてしまうのでは
上のような心境を持つ保護者の腰はなかなか上がらず、準備にもそれなりの時間が掛かることから、提出期限までには5割程度しか集まらなかったということはざらにあります。
この解決方法
解決方法としては、とにかく十分な時間を確保することです。
最低一ヶ月、出来れば2ヶ月を設定し、定期的にカウントダウンのアナウンスを行うと良いでしょう。
そして、この保護者への依頼や、先生への依頼ごとについては、卒アルページ構成が決定した時点で、即「依頼のアクション」を行うくらいの勢いが必要と言えます。
先生への依頼も同様
先生へのお願いと言えば「卒園生に向けたメッセージ」の制作でしょう。
先生も保護者の境遇と同じです。
仮に卒園生個々に向けたメッセージとなれば、同じ文体というわけにもいかず、相当に悩まれることは間違いありません。
さらにその依頼が業務繁忙の時期と重なった場合、記述はおろかクオリティが落ちる可能性も否定できません。
このことから、進級での役員決めのタイミングで「メッセージを書いていただくとしたら、いつごろが都合良いか」を確認し、先生が平常心で臨める時期に合わせて準備すると良いでしょう。
個人情報提出への抵抗
個人ページでその園児のキャラクターを見せることは、すなわち個人情報の提供とも言えます。
中には次の情報はNGとなった事例があります。
- フルネーム表記
- 生年月日
- プライベートでの写真
- 直筆メッセージ
この園での個人ページはどのような構成であったかというと…
- 氏名表記は「なまえ」だけ
- ◯◯年◯◯月生まれ(に留める)
- 写真は園での生活の内容に限定
- メッセージはテキストデータ
ですが、これでもなんら違和感の無い個人ページに仕上がります。
むしろ簡潔で統一性があり、写真は「園での友達との触れ合い」に限定されてるため、他の園児からの注目度も高まります。
保護者提供写真は、家族旅行でのスナップや、写真館での記念撮影になりがちです。
保護者によっては、そこに優劣や、SNSにも似た自己表現と感じる方もいらっしゃり、園生活写真限定であれば、それを回避することもできます。
個人情報提出を拒むケースに対しては、このような措置で対応してみてはいかがでしょうか。
下のブログは個人ページ制作をテーマにした記事です。動画のダイジェスト版もございます。
5.切り抜き写真だけの掲載
卒園アルバム=切り抜き写真で構成というイメージを持たれる方も多いと思います。
ユニークなポーズで動きのある姿を切り抜きで載せれば、見る人は自然とほほがゆるみます。
ですが、なんでもかんでも「切り抜き」という方針には疑問が生じます。
例えば次のような例です。
- 背景には心奪われる大自然
- 背景は教室の壁面に季節感ある作品の展示
- 直立不動の姿
- 手に持つ品物が肝心なのにカットされてる
このように写真には背景を取り込んだり、手に持つものが何かによって「表現される」ことが多大にしてあります。
切り抜きだけで構成しようという方針が優先するあまり、この表現が損なわれては、本来のアルバムの意味が損なわれてしまいます。
このことから、切り抜きで映える「アクションシーン」や「背景が重要でないシーン」に切り抜き制作を限定し、その他の四角取りや円形取りの写真と合わせて制作すると好印象となるでしょう。
作り手ともらい手の感覚
作り手としては「みんなに見てもらうアルバムだから気合い入れるぞ」とハイテンションで望まれる方も多いでしょう。
ですが、もらい手=つまり保護者や園児はそこまでを期待していません。
前述の「切り抜きだらけ」のように、作り手の気合いの方向が、もらい手が喜ぶ方向と違うところに向かっては、単なる自己満足に終結し、せっかくの労力が水の泡となってしまいます。
この事項は「アルバム完成後」の内容だけに、直接クレームとしてはあがらないかもしれません。
ですが、心の奥で「もう少しシンプルに構成できなかったのか」という感想を抱かれる可能性は十分にあります。
卒園アルバムの制作は基本「自由」ですが、アルバムを見る方の心境を少しばから鑑みて、制作の方針を定めてみてはいかがでしょうか。
これに関連したブログ記事をご案内します。
この項目に似たクレームが次の内容となります。
6.我が子はどこに
保護者がアルバムに着目する点は、当然「我が子がどこにどのくらい掲載されているか」に他なりません。
デザインや工夫、他の園児の写り具合は全く二の次と言っても良いでしょう。
この時、前項で挙げたような「多量の写真が所狭しと詰め込まれてる」構成だと、探すのも一苦労であり、あげくは見つけることができない場合があります。
と、いったやり取りは出来れば避けたいものです。
つまりこの状況では「写っていない」に等しいからです。
恐らく写っていても、そこからその園児の表情までを読み取るのは難しいでしょう。
仮に10名の切り抜き写真を小型で掲載するのであれば「10名が一緒に写るグループ写真」を四角型で1枚掲載する方が、作り手の意図が伝わりやすくなります。
表現や伝達は「シンプル」に越したことはありません。
たくさんの写真をこれでもかと詰め込み、賑やかに表現することに否定はありませんが「伝えること」を目的とするならば、その大量写真から引き算を繰り返し、自分のこだわりと掛け合いをしてシンプル化するのも一考でしょう。
7.SNSなどのネット上に公開された
完成した原稿をインスタグラムやツイッターなどのSNS上にアップしてPRする行為は絶対避けるべきと言えます。
例えその原稿が遠目に写っていて「園児の識別不可能」であったとしても、嫌悪に思う保護者が圧倒的多数です。
この行為は、関係者(保護者や先生、そして卒園生)だけにとどまらず、それを拡散によって目にした第三者ユーザーからも批判のコメントが寄せられる可能性があります。
8.園のイメージに合わないと苦言
ここから二つは「園」からのクレームについてお話しします。
はじめは「原稿のイメージが園にふさわしくない」と苦言を呈された… になります。
園によっては、有志による保護者制作であっても、制作された原稿に「園の観点」で内容に目を通し、表現上問題が無いかを確認することがあります。
あなたの園はいかがでしょうか。
仮に毎年の「申し送り(前年の委員の行動記録)」で、そのような慣例がなかったとしても、ふいを突いたように「今年から見せて」ということは無きにしもあらずです。
このことから念のため、担任を通して「原稿提示の必要性があるか」を確認しておくと良いでしょう。
クレームの一番は色使い
例えばその幼稚園が伝統のある格式高い校風であるのに対して、赤や金銀のビビッドな色使いで原稿制作をしたとしましょう。
園からは「もう少し落ち着いた雰囲気に」といったクレームに近い助言が発せられます。
例えばその園のキーカラーが「青」であり、園舎や室内、ロゴやホームページデザインまで「青」で統一されてるとします。
この園のアルバムの表紙を仮に「赤」や「紫」をベースにして制作した場合、恐らく「青に近い色が良いのでは」との言葉をいただくでしょう。
本来は自由に、自分の感性で制作を進めたいところですが、園に原稿を見せる決まりがあるのであれば「事前に何がNG」かを確認し、その制約範囲で作るのが無難と言えます。
園からの指摘は、いわば「保護者もそのように感じてること」とも言えますので、指摘を重んじて制作すれば、トータルで喜ばれるアルバムになることでしょう。
9.園から撮影規制を受けた
過去2年の間で、お客様との談話で目立つのが「写真撮影に関する園からのクレーム」です。
次のような内容があります。
- 今年から全ての撮影禁止
- 今年から至近距離での撮影禁止
- 今年からカメラマン派遣不可
この「今年から…」がポイントであり、昨年までOKであったものが、今年からはNGとなり、それを知らずに例年通りの撮影を進めていたら、園からクレームがついた… というものです。
今年から全ての撮影禁止
保護者による撮影で問題となるのは「マナー」に関する点です。
- 後方見学者を気にせず立ったり中腰になったりを繰り返して撮影
- 本人も気づかぬ間に園児に接近して食い入るように撮影
- 撮影に集中のあまり応援も拍手もなし
といった状態が散見し、保護者から園に対しての苦情もあることから、派遣カメラマンのみの撮影に特化したケースです。
複数の委員で撮影計画を立てていたにも関わらず、本番数日前に突然言い渡されるこの通告に、戸惑われることも多いでしょう。
今年から至近距離での撮影禁止
委員だけに限らず、派遣カメラマンも至近距離撮影を禁止する事例が目立ってきています。
観客席での撮影でなく、競技、または演技する園児にぐぐーっと近づいて撮影する「至近距離撮影」。
迫力満点の画を収めることができ、望遠撮影とは一線を画します。
ですがコロナ禍への対策を強化する園では、ソーシャルディスタンスの観点からこれを禁止としています。
今年からカメラマン派遣不可
これもコロナ禍での影響を受けた一件です。
外部の人間と、園児の接触をわずかでも避けたい園の意向により、カメラマン派遣が取り止めとなる事例です。
また行事縮小から、まとまった撮影回数を設けることができずに、契約を中止とした例もあります。
カメラマンをあてにして写真確保を計画していた場合、この算段に狂いが生じます。
保護者がカメラマンを手配する際についても、後々NGのクレームがつく以前に、派遣許可を得られるか、園側に相談しておくべきと言えます。
10.公平に掲載されていない
最後は、卒アル制作において最も重要視される「園児掲載の公平性」についてです。
恐らくこの「公平性」を全く無視して写真選定を進めるアルバム委員は存在しないでしょう。
仮に、あまりにも掲載度合いに片寄りがあると「同じ料金を納めてるにも関わらず掲載が異なるのは不公平」とのクレームが発生します。
公平性を意識し過ぎると面白みがなくなる
とは言え、この公平性を重視するあまり、その紙面から面白みやユニークさが奪われる可能性があります。
例えば運動会。園児が20名いたとして、徒競走で同じアングルで20枚、跳び箱で同アングル20枚、リレー同アングルで20枚…
といった定義で掲載をしたとします。
公平性は守られてますが、同じような写真が規則正しくずらっと並んでる紙面は、一種異様な雰囲気です。
さらにそれだけ多くの写真を掲載するため、1点1点の写真は小型化され、個々の園児の表情は読み取ることができません。
こうなると「クレームが付かぬための形式的なページ」にとどまり、そこに感動や楽しさがなくなってしまいます。
解決方法としては、全ページを通して「掲載枚数が公平である」形を取り、各ページ単位では「公平の概念に縛られることなく」制作を進めると良いでしょう。
また、この方法を採用する場合、保護者会等で事前に「ページ全体で調整します」の旨を申し出て、事前了解をえておくと、クレームを不安に思うことなく、作業が進められます。
この件を含む写真選定に関連するブログ記事がございます。併せてご参照ください。
おわりに
今回は、今回は卒園アルバム制作で起こりがちなクレームについてお話しをしました。
卒園アルバムには大なり小なり何らかのクレームがつきものと踏まえて、制作を進行させる必要があります。
アルバムが届かないという事が無いよう、無理が生じないスケジュール計画を行う、漢字での氏名表記をやめてひらがな表記にし誤植を回避する、必要以上の切り抜きを使用せず、背景をおもいでの一つとして活かして載せる…
などなど、クレームを想定し、それを回避する方法を見出すことより、実はその方法こそアルバムのクオリティをあげる秘訣と言えるのです。
クレーム発生をあまりにも深刻に考えすぎて、制作に支障をきたすのは良くありません。
ここに記載した10のクレーム事例を頭のすみに置き、意識しながら制作に反映させ、クレーム発生を深刻に考えすぎずに「自由」さを取り入れるのが最良と言えましょう。
もし、こんなクレームがあった…などのお話しがありましたら、是非お聞かせいただきたいと思います。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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