卒園アルバムのつくりかた
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2022.11.21
卒園アルバム 「卒園生紹介ページ」の作り方
卒園アルバムのオープニングを飾ることが多い 「園児紹介ページ」 の制作手順についてお話しします。
一見「同サイズの枠を等間隔に並べるだけだから簡単では?」と思われるかもしれません。
ですが、そのレイアウトデザインの前の段階で、いくつかのポイントを抑えておくと、作業は効率良く進み、何よりクオリティが上がります。
写真は年長期だけ掲載か、それとも赤ちゃんの頃と対比させるか、アンケートも載せるか、集合写真も添えるか…
など、紹介ページのバリエーションや、その作り方について解説いたします。
- 卒園生紹介ページのバリエーションが知りたい
- 制作手順を知りたい
- アンケートの制約は求めるべき?
- 1ページ何名の掲載が理想?
目次
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
卒園生が一同に掲載される「卒園生紹介ページ」。
卒園アルバムと言えばこのページという印象を持たれる方も多いと思います。
卒園生や保護者からの注目度も高く、それゆえにデザインや内容にはこだわりたい所です。
早速制作手順を見ていきましょう。
ページ数の確保
紹介ページを「何ページ分」確保するかを検討します。
この計画の上では、担当者の理想が次のようなケースで挙げられます。
- 1.総合ページ数が多く「紹介ページ」の確保に余裕がある
- 2.総合ページ数が少なく「紹介ページ」の確保が難しい
- 3.総合ページは多いが「紹介ページ」は最小限に留めたい
- 4.総合ページは少ないが「紹介ページ」は妥協したくない
つまりは、 「卒園生ひとり一人」のスペースを大きく見せるか小さく見せるか… ということに行きつきます。
上に挙げた項目で3と4について、少し解説を挟みます。
3.総合ページは多いが「紹介ページ」は最小限に留めたい
ページ構成の計画内に、この紹介ページ以外にも似たようなページを作る場合があります。例えば…
- 「大きくなったね」と題して年長と赤ちゃんの頃を対比して見せる
- ハロウィンの仮装や劇の役の衣装姿での個人写真掲載
- 卒園式でのフォーマルウェアでの個人写真掲載
このような紹介ページとば別に「個人撮影」を主としたページがある場合、あえて紹介ページを大型化する必要はないでしょう。
突き詰めていくと「紹介ページはいらないのでは…」という結論にいたることもあります。
4.総合ページは少ないが「紹介ページ」は妥協したくない
仮に8ページ構成のアルバムで、4ページを紹介ページに充てて、残りのページは全て集合写真を中心にシンプルな構成にする…といったケースもままあります。
卒園アルバムを、あくまでも「一緒に過ごした個々のキャラクター紹介」の位置付けとし、行事などの「思い出の場面」を記録する体裁とは趣が異なります。
このケースは特に 「大規模園」 に多く、とかく公平性を問われる「行事での個々の掲載点数」をさほど気にかけることなく制作できる利点があります。
紹介ページでの構成としては、1名に対して「年長.赤ちゃん.将来の夢を1行」で制作するパターンが顕著です。
1ページに何名入る?
1ページに掲載する「適切な」人数は何名くらいか?という質問をいただきます。
今まで挙げてきたような様々な条件がありますので一概に決め打ちはできませんが、理想としては「1ページ16名」が上限と言えます。
ですが、赤ちゃんの頃との対比や、複数のアンケートを入れるとなると、その数は減少せざるを得ません。
その場合の理想は、写真の表現力やテキスト認識サイズを考慮して「1ページ8名」と言えるでしょう。
掲載内容の検討
掲載内容は、前述の「掲載ページ数に余裕があるかないか」の条件によって変わってきますが、例として次のような内容があります。
- 年長写真(必須)
- 氏名(必須)
- 漢字表記の場合ふりがなの有無
- 赤ちゃんのころの写真
- 個人マーク
- アンケート(1〜3問程度)
- 集合写真
- 先生からのメッセージ
- 誕生日
- 出生時の身長と体重
これらの内容を「制作者の理想」と「紙面スペース都合」を掛け合わせて、何を載せるかを検討します。
他のページで個人ページや文集を作るのであれば、あえてこの場所でのアンケートや赤ちゃん写真は不要と言えます。
赤ちゃんと年長を並べて比べる意図を尊重するのであれば、その他のページを縮小させる計画が必要です。
評判の良い構成は?
完成したアルバムを配布し、その後に「閲覧者の感想」を伺うことがありますが、その際高評価を得てる内容は
です。ある意味卒園アルバムの趣旨が凝縮されており、これ以外のページが無くても問題ないのでは…と思うほどです。
制作者としては「いかに年間行事を取りこぼすことなく載せるか」「それぞれのページを個性的に面白く作るか」にクリエィティブの焦点を当てる傾向にあります。
ですが「アルバムを見る側」はそこまでの内容を期待していないことが多数です。
紹介ページには、思わず微笑んでしまう友達の小さかったころの写真や、その成長ぶりに驚き、壮大な将来の夢に感心するなど、このページならではの変え難い「良さ」があります。
このことから「閲覧者」ファーストの視点に立つのであれば、この紹介ページのボリュームゾーンを確保し、掲載内容盛りだくさんで制作するのも一考と言えましょう。
仮レイアウトを組んでみる
と思われるかも知れません。
ですが、この「仮レイアウト」は紹介ページ制作の計画において最も重要な内容とも言えます。
下記が手順となります。
- 1.レイアウトをラフで描いてみる
- 2.1で導かれた「年長写真枠」の縦横比率を控える
- 3.アンケートは「読める文字サイズ」で何項目入るか目算
1.レイアウトをラフで描いてみる
レイアウトは紙面への筆記でも、パソコン上でも構いません。
ここでの目的は「1名に対して確保できるサイズ」の決定と「配置場所」の決定になります。
1名に対して確保できるサイズの決定
紙面上を「園児個々を同サイズ」で均等割した場合、確保できるサイズを割り出します。
この「大枠サイズ」が導かれた後に「年長写真領域」「赤ちゃん領域」「アンケート領域」「氏名表記領域」「その他領域」を区分けして各々の領域を決めていきます。
配置場所の決定
例えば園児が24名の場合、1ページに対して「横に3枠:縦に4枠:合計で12枠」にすれば、見開き2ページで綺麗に24名分が収まります。
ですが現実的には、15名や7名、20名や31名など、紙面を無駄なく綺麗に枠取りできない人数がほとんどです。
つまり、順当の並べてみると 「余計な空間が目立つ」 ことが気になります。
この場合「空間」を「意味ある空間」にすることで解決が図れます。例えば…
- 大型タイトルを掲載
- 集合写真を掲載
- メッセージを掲載
- 空間から見える「背景」を活かす
などが挙げられます。
2.1で導かれた「年長写真枠」の縦横比率を控える
導かれた写真の縦横比率はいかがでしょうか?
「縦長」でしょうか、それとも「横長」でしょうか?はたまた「正方形」ということもあります。
ここで年長写真の「縦横比率」を控える理由は 「その比率」に適した写真を確保する 目的となります。
仮に「横長」の比率の枠に対して「胸から上のアップ写真」を充てると頭部がカットされる恐れがあります。
「縦長」の比率に対して「腕をお大きく広げた」写真の場合は、両腕が大きくカットされることとなります。
このことから、写真枠の縦横比率を導き、それにふさわしい写真を得ることがクオリティを上げる点で重要となるのです。
写真はどう確保するか
一番お勧めなのは、写真枠の比率が決定した後に 「このページ専用に写真撮影」 を行うことになります。
理由は次の通りです。
- 縦横比率にふさわしい写真が撮れる
- 統一感があり紙面が安定する
- 各家庭からの提出だと枠の比率に合わない恐れがある
- 小技を取り込むことができる
保護者に写真提示を求める場合、出来れば「写真枠の構想」を「図」で提示し、視覚的に年長枠の比率を案内すると良いでしょう。
最後の「小技(こわざ)を取り込むことができる」とは、例えば「好きなおもちゃを手に持って撮影」や「将来の夢を画用紙に描き、それを持って撮影」などを示します。
アンケート表記スペースが無い場合などに有効な手段と言えます。
写真はどのように撮影するか
理想を言えばカメラマンに依頼し、背景のボケがうまく演出となるような「屋外撮影」となりますでしょう。
カマラマンは予算ありきですので、その確保が出来ない場合、写真撮影が得意な関係者をあたるのも良いでしょう。
再三繰り返しとなりますが、紹介ページは注目度も高く、一番はじめに目に触れるページ(の場合が多い)です。
他のページと比較し、時間・労力・資源を投下するべき価値があると言えます。
3.アンケートは「読める文字サイズ」で何項目入るか目算
紹介ページに掲載するアンケート内容のベスト3は次の通りです。
- 将来の夢
- 好きだった遊び
- 好きだった給食
これらのアンケートをどの範囲まで載せるかを、レイアウトから導きます。
大切なことは 「その文字が無理なく読める」 かどうかです。
パソコンでのテキスト入力にすれば5ポイント3ポイントなどの極小サイズでも設定は可能です。
ですが、それでは閲覧者は読む気が起きないでしょう。
また、極小サイズは、印刷時に「字つぶれ」が起きる可能性があり、お勧めできません。
最低でも6ポイント程度 とするのが良いでしょう。保護者への素材提出依頼
保護者に素材提供を求める場合、次の点に留意されると良いでしょう。
写真提供
- 年長写真提供の場合、枠比率に見合う写真で依頼
- 赤ちゃん写真を顔アップの可能性あり(顔周囲に余白があるとベスト)
- なるべく高画質画像で
- オンライン送信の場合は「元の画質を保持」で
いくつか解説します。
赤ちゃん写真を顔アップの可能性あり(顔周囲に余白があるとベスト)
年長は選べるほど在庫はあれど、赤ちゃん写真は「撮影量が希少」や「すぐに探せない」という理由で限定的になることが顕著です。
赤ちゃんの写真は、手足の動きも可愛らしく、全身で掲載したいのはやまやまなのですが「顔の表示が見えにくくなる」「全員の統一性を図りたい」という理由から「顔アップ」でトリミングするのが主流です。
このトリミングの時に「既に顔の一部が写真枠からはみ出てる」方の場合、さらにトリミングを行うことで不自然さが生まれる場合があります。
素材提供を依頼する際「この枠の比率で」「顔アップでトリミングします」という旨をアナウンスすると、提示する側も助かることでしょう。
なるべく高画質画像で
高画質で…といっても「どこまでが高画質なのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
具体的な検証方法はこの場では割愛しますが、次に挙げる方法である程度の画質はキープ出来ると言えます。
- 400%に画像を拡大して劣化にならなければOK
- iPhoneからメールで送信する際は「圧縮しない」
- LINEで送信する際「LINEアルバム」ではなく「トーク」へ
- LINEのトークで送信する際「元の画質」ボタンをON
- クラウドを使用の際は「画質低下」に注意
- クラウド使用は「Googleフォト」を推奨
画質低下をテーマにしたブログ記事がございます。併せてご覧ください。
テキスト情報提供
担当者がパソコンを使用して制作の際、保護者や他の委員からの 「文字情報」は原則「テキストデータ」で支給 いただくことをルールにします。その理由は
するからです。
氏名や誕生日など「絶対に間違えてはならない項目」が紹介ページにはいくつもあります。
どんなにタイピングに自信があってもノーミス100%は断言できません。
仮にミスに気づかず印刷に入った場合、完成後に「シール訂正」や、ミス対象の保護者の苦言が治らぬ場合は、最悪全冊印刷製本をし直すこともあります。
無駄な労力と費用を掛けぬためにも「コピー&ペースト」をおすすめいたします。
テキスト情報の内容
テキストで支給いただく内容は次のようなものがあります。
- 氏名(旧漢字の指定含む)
- 読みがな
- 誕生日
- 出生時の身長・体重
- アンケート内容
- メッセージ
アンケートの文字数制限
アンケートの文字制限を設けるか否か…
限られたスペースゆえに文字制限を設けたいが、そうすると園児の自由な表現を妨げてしまうのではないか…
と、きっと悩まれることと思います。
おすすめの通達としては「1園児分の枠構造のサンプルを制作して渡す」になります。
この時、記載する文字数も「理想の文字数」にしておきます。
保護者への通達の際 「サンプルの通りアンケートの回答はできれば簡潔にお願いします」 という補足を加えます。
保護者は視覚での見た雰囲気と「簡略」という言葉により、長文を控える傾向となります。
反対に訴えるものが何もなく「アンケートの回答をお願いします」と漠然とした依頼ですと、長文提出が多くなります。
ぜひ、お試しください。
実際の制作
素材の全てが揃い、それを元にデザインを行います。
ところであなたはどのような方法で紹介ページを制作する予定でしょうか。
代表的なのは次のような方法でしょうか。
- 1.グラフィックソフトを使用
- 2.オンラインデザインツールを使用
- 3.マイクロソフト製品を使用
- 4.切り貼りで制作
- 5.業者におまかせ
- 6.業者の制作ソフトを使用
いくつか特徴を見ていきましょう。
1.グラフィックソフトを使用
Adobeイラストレーターやフォトショップ等のハイエンドモデルを使用した制作です。
一昔以前は「プロ御用達」のイメージがありましたが、最近は月額使用のサブスクリプションとなり、機能の簡易性や向上もあって、その敷居は格段に下がりました。
これらのグラフィック専用ソフトは「かゆい所に手が届く」ことと細密なデザインを可能とする所が魅力です。
ですが、やはりそれなりに「癖(くせ)」があることから、操作技術の習得にはある程度の時間と慣れが必要となります。
今まであまりデザインに触れることもなく、デジタルリテラシーに自信が無い方は、この使用には慎重を期すべきと言えるでしょう。
2.オンラインデザインツールを使用
ソフトのダウンロードの必要がなく、ネット環境があれば使用することができるソフトです。
代表的なツールとして「Canva(キャンバ)」があります。
デザインの経験が無い方でも、豊富な素材とテンプレート、そして簡単に操作ができて理想の結果を出すことができることから、数多くの卒園アルバム制作者に使用されています。
キッズドン!は、この Canvaで使用できる「卒園生紹介ページ用写真枠」 を、フリー素材として提供しています。
下記リンクおよびバナーから、素材や制作方法を併せてご覧ください。
4.切り貼りで制作
手作りで制作されたアルバムは、温かみや独特のアナログ感覚から、デジタルでは決して生み出せない魅力があります。
切り貼りであっても、今まで紹介した概念は、テキスト入力以外は同様です。
文字を直接用紙に記入することから、慎重にことを進める必要がありますが、手書きのぬくもりがきっと伝わることでしょう。
園児を囲む「フレーム(写真枠)」も折り紙やマスキングテープを活用して制作すると華やかさが増します。
手作り卒園アルバムに関連するブログもご参照ください。
5.業者におまかせ
業者のデザイナーが制作する方法です。
ご成約されたアルバム制作業者のこの制作コースがある場合、揃った写真やテキストデータを業者に送り、あとは完成を待つだけとなります。
ちなみに当キッズドン!では「おまかせコース」という名称でサービスを提供しております。
本制作前のデザイン提供はしてくれるの?
前章で、保護者に制作イメージを持っていただくためや、写真縦横比率の把握を目的に、「仮レイアウトでの1園児分の枠構成」の提示がおすすめ…とお伝えしました。
キッズドン!では、この本制作前における「枠構成」の決定をし、それをサンプルで提示することを行なっております。
ご成約が他社の場合、そのサンプル提示が可能かを事前に確認されることをお勧めいたします。
6.業者の制作ソフトを使用
業者提供のソフトには「紹介ページ」のテンプレートが用意されています。
ですが、このデザインがもしあなたの趣向に合わなかったとしたら…
赤ちゃん写真のツイン掲載やアンケートを挿入することができない場合もあります。
そんな時は「制作した原稿をデータ化」してそれを「1枚の写真」として業者ソフトの「まっさら」なページに貼り付けて完成させることができます。
基となる原稿制作には、前述のCanva等のソフトを使用し、PDF形式で出力。
さらにそのPDFをオンラインツール等でJpeg画像データに変換して、業者ソフトにアップロードします。
ご案内:キッズドン!が紹介ページのテンプレートを制作します
キッズドン!ではご成約いただいたお客様に、下の図のような100種類のアルバムテンプレートを特典として進呈しています。
背景と写真枠が一体化し、写真部分が透明仕様のオリジナルテンプレートになるのですが、この100種類の中に「紹介ページ」がありません。
人数が変動することがその要因ですが、これの対応として、お客様から人数を伺い、それを基にしたテンプレートを制作するサービスを無料で行っています。
このテンプレートは前述の「Canva(キャンバ)」と相性が良く、スマートフォンでも簡単に作成できるのもポイントです。
ご案内した全てのテンプレートは下のバナーよりご覧いただけますので、よろしければご参照ください。
また、このテンプレートをCanvaを用いて作成する方法を解説したブログもございます。併せてご覧ください。
おわりに
今回は「卒園生一同紹介ページ」の制作手順についてお話ししました。
卒園アルバムのオープニングページを飾ることも多く、卒園生をはじめ保護者の方からの注目度が高いことから、力を入れたいページコンテンツと言えます。
赤ちゃんのころの写真やアンケートなど、年長写真以外にどんな素材を入れるかを決め、ページ数を確保し、仮レイアウトを行いましょう。
そこで導かれた写真の縦横比率や、アンケート掲載サイズを基に、適切な写真撮影や、保護者へのアンケート回答依頼を投げます。
全ての材料が揃ったら、あとは制作を進めるのみです。
身近にあるワードやパワーポイントの他、未経験者でも本格的なグラフィック制作ができるオンライングラフィックツールなどを使用するのもおすすめです。
どうぞ素敵な「紹介ページ」をお作りください。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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