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2021.9.17
ゼロから分かる「はじめての卒園アルバムの作り方」(事前準備編)
卒園アルバム制作担当になったけど、何から手をつけたら良いかわからない…どんな準備を行い、どんなポイントを押さえて、どう進行すれば良いかをシリーズ4回に分けて解説します。
- 何から手をつけて良いかわからない
- 準備にどのくらい時間かかるの
- ページ構成の組み方
- どんな制作方法があるの
- ページ数の決め方を教えて
卒園アルバム制作の準備開始
こんにちは、キッズドン!の宗川 玲子です。
今回は「卒園アルバム制作工程」を順番に見ていく事前準備編です。
この記事をご覧になることにより、基礎的な知識が付くことで不安がなくなり、みんなが喜ぶ卒アルをつくるぞ…と常に高い目標がみなぎるはずです。
完成までの道のりは長い
卒園アルバムの制作は想像以上に大変なプロジェクトです。
今は高い志(こころざし)のもと「どんなデザインにしよう」「ものづくりの楽しさ」「みんなの喜ぶ顔が思い浮かぶ」などの期待感や希望に満ち溢れ、一連の制作工程の「光」の部分に意識が向いています。
完成までの過程には「影」もある
ですが、完成までの道のりの間には「影」も多くあり、これを事前に把握して対策を打つのと打たないのでは、アルバム自体のクオリティや制作者の精神的影響に大きな違いが表れます。
今回の「事前準備編」では、卒園アルバム委員が発足した直後から、業者選定の段階以前までの大切な事柄を解説していきます。
時間は限られている
卒園アルバムの制作で最も注目するべき点は、制作者が制作に充てることができる「時間」がどの程度あるかになります。
この「時間を把握する」ことが全行程を司る基本と言っても過言ではありません。具体的にはどういうことか挙げてみましょう。
下に列記した項目の前に「時間の有無によって…」をつけてご覧ください。
- 制作方法を検討する必要がある
- 制作ページ数を検討する必要がある
- 納期が変動する
- 個々の委員の行動内容が変わる
- 制作開始時期が変動する
このようにアルバム制作者に「どの程度の時間をアルバム制作に費やすことができるか」が鍵となります。
その充てることができる時間を制作者全員が弾き出し「現実的にできる制作方法」を見つめる必要があります。
「なんとかなるだろう」「頑張れば乗り越えられる」という自信に満ちて始められ、制作期中に挫折された方を、私どもは数多く見てきています。
どうかはやる心を落ち着かせ、現実を直視してみてください。
それでは上に挙げた各項目を簡単に掘り下げてみます。
制作方法を検討する必要がある
例えば「切り貼り制作」と「パソコン制作」における作業時間を比較すると、より多くの時間を要すのは「切り貼り制作」となります。
それでは「パソコン制作」と「業者依頼」ではどうでしょう。
当然ながらパソコン制作の方が多くの時間を必要とします。
例えばアルバム委員全員が月から金までほぼフルタイムに近い勤労状況であり、ページ数も多く、さらに納期は卒園式前を想定してる場合、全ての制作作業を委員で完結させることは困難と言えます。
どの制作方法が自分たちの時間で賄えるかを業者に相談するのも一考です。
制作ページ数を検討する必要がある
8ページの制作に比べ、32ページの制作では4倍の労力がかかります。多量のページ数を求める方の理由の一例をご覧ください。
- 思い出をくまなくぎっしり詰め込みたい
- 1ページ1名の割り当てで個人ページをつくる
- ページ数が多い方が豪華に見える
- 予算に余裕があるので多めのページにしたい
ですが、仮に多忙な委員で構成されてる場合、多量ページを限られた時間内で制作することは苦行以外の何物でもありません。
苦行ならまだしも完成することも危ぶまれます。委員の持つ時間と制作ページ数は密接な関係があるのです。
理想を掲げたのち、現実的に制作できるボリュームを検討する必要があります。
関連の記事をよろしければ下記リンクよりご覧ください。
納期が変動する
納期は卒園式前か後か…この選択で制作スケジュールは大きく異なります。
卒園式前であれば「アルバムを渡すのは卒園式」のため、より現実的なスケジュールで動く必要があります。
一方卒園式後であれば、制作に余裕が生まれます。卒園式前は絶対に遅延が許されないため、これを死守する時間が各委員にあるかをの確認が重要となります。
個々の委員の行動内容が変わる
卒園アルバム委員や卒園対策委員のように組織的に制作を行う場合、制作方法や方針が統一化されるケースが顕著です。
ですが、個々の委員はそれぞれ異なる生活様式で時間を送っていることから、統一化は非効率であるケースも多いのです。
Aさんはパソコンが得意で時間に余裕があるが、Bさんは自称-不器用で制作に充てる時間がほとんどない…
このようなケースで、仮にパソコン制作に統一した場合、当然Bさんにストレスがかかるのは言うまでもありません。
この解決として、制作を担当者制とし、自分にふさわしい制作方法を時間的都合で選択し、安定した制作ができるようにする方法をお勧めしています。
制作開始時期が変動する
卒園式前納品で36ページ仕様、切り貼りとパソコン制作の混合…といった場合、制作開始時期は遅くとも8月中旬頃からの開始が理想と言えます。
反対に12ページで卒園式後の7月であれば、開始は2月〜3月でも間に合う場合があります。
このように卒園アルバムのスペックと納期によって、制作時期が変動してきます。
定めたスケジュールに自分の時間を合わすことができるか見つめてみましょう。
この「時間に関わる課題」の検討=決め事は、卒園アルバムを手作りする上で重要な始めの一歩です。
後に上に挙げた決め事を詳しく説明しますが、まずこのような背景があるということをお分かりいただければと思います。
続いて具体的なアクションを見ていきます。まずは情報収集からです。
情報収集
前項ではいきなり現実的なことを記しましたが、それでも「こんなアルバムを作りたい」といった理想があると思います。
前項の「現実を見る」というのは、イマジネーションを否定してるわけではなく、それをどのようにして「限りある時間の現実に落とし込むか」が課題となっています。
ここでお勧めしたいのは、様々な卒園アルバムを見てみることです。
自分のイメージする範囲を超え、様々な発見やヒントが見つかることで、よりクオリティが向上することでしょう。
次のような順で考えを進められてはいかがでしょうか。
- 1.自分の持つアイデアやイメージを全て書き出す
- 2.検索サイトでアルバム業者が公開してる卒アルページを見る
- 3.画像検索サイトで表示されたページ写真を見る
- 4.複数の業者からサンプルアルバム、または資料を取り寄せて参照
- 5.園に保管されてる歴代のアルバムを参照
自分のイメージだけに固執するのではなく、色々な卒園アルバムの仕様を知っておくことが必要です。
仮に自分のこだわりや理想が現実化しなくとも、柔軟に現実可能な仕様に切り替えることができる、それがこの情報収集最大のメリットです。
集めた情報はいつでも開けるようにしておき、制作過程で煮詰まった時や、アイデアが浮かばない時など、きっとそこから脱出できるヒントを与えてくれるでしょう。
ここまでは「事前の心構え」と「ヒントを得るための情報収集」について触れました。その準備が整った上で卒園アルバム手作り計画をしていきましょう。
計画する
1.納期の検討
納期を定めることは、この後の決め事にとても必要な内容です。
納期は下記のような項目に影響してきます。
- 「掲載できる行事」が変動する
- 制作時間が変わることから「制作可能ページ数」が変動する
- 「制作スタート時期」が変わる
ここで最も重要でなのが「掲載できる行事」の変動です。
卒園アルバムは「制作が完了」した後、業者による「原稿内容チェック→お客様と質疑応答→製本印刷」といった行程が必要となります。
仮に卒園式前の3/15に納品の場合…
- 自分たちで制作の場合、原稿の入校は納期の1ヶ月半前であり、2月15日までに原稿を完成させる必要あり
- 業者委託で制作の場合、1月5日までに最終の制作用写真を業者に提出する必要あり
となります。いかがでしょうか、「実はその後に大切な行事があったのに…」ということもあるでしょう。つまり、納期はアルバムに掲載する内容を決定づける要素があり、それによりページ数検討の課題に波及します。このあたりを踏まえて良く検討してみてください。
2.ページ構成
ページ構成は卒園アルバム制作の設計図となります。
どのページにどのイベントを掲載するかを決めていきます。このページ構成の検討は2段階ですることをお勧めしています。
- 1.ある程度おおまかな状態で掲載内容をページに割り振り、詳細まではこの時点で考慮しない。ここで生まれたページ構成案で、業者に見積依頼を行う
- 業者から提示された金額が、予算範囲内であれば、当初案をさらに詰める形でページ構成を検討。予算に合わずページ数の減少が必要な場合、再構成を行う
といった内容です。ページ数は「アルバム代金」に反映されます。
このことから、長時間掛けて煮詰めた構成案が予算オーバーで仕切り直しという事態を避けるためにも2段階調整をご検討ください。
ページ構成のコツ
卒園アルバムの掲載する行事や写真は、できるだけ最小限に仕上げるのがコツと言えます。
あれも載せたいこれも載せたいという気持ちはわかりますが、本来の「アルバム」の意図が「1枚の写真から思い出を想起させる役割」であることを考えると、それは得策ではない場合もあります。
簡単にページ量における影響を挙げてみます。
- 閲覧を進めていく上で飽きが生じてくる
- 予算によっては簡易製本仕様となる場合がある
- 制作労力がかさむ
- 豪華な記念誌の風格となる
- どうしても詰め込み状態となる
- ハードカバー系の仕様が可能となる
- 制作労力が軽減される
- コンパクトにまとまるため閲覧しやすい
- 写真点数は少ないほどインパクトは高まる
- 個人ページ制作の場合、写真は園での生活シーン中心が良い
- 全てを伝えるのではなく、少ない写真から想起させることを目的とする
- 閲覧者はシンプルで見やすい体裁を理想としている
- 園児の視点ではメッセージ的な文字情報が適度にあると喜ばれる
といった感じです。ページ構成については、別のブログ記事がありますので、併せてご覧ください。
3.アルバムタイプ
ハードカバーかソフトカバー
保存性に優れ記念誌の風格を持つ「ハードカバー」、背の部分を糸やのりで閉じ低価格が魅力な「ソフトカバー」などアルバムの外観には様々な仕様があります。
紙の厚さ
また、それぞれの外観仕様に対して「厚紙」「厚紙を貼り合わせた合紙製本」「薄紙」などの紙質があり、さらに「オフセット印刷」「オンデマンドプリント」「銀塩プリント」などこれまた様々な印刷方式が存在します。
予算に合わせて選考
一般的にハードカバーで厚紙系は高額となり、ソフトカバーで紙が薄いほど低額となる傾向です。まず理想を掲げることが大切ですので、各アルバム製本業者のサイトに掲載されてる参考価格を基準に、どの程度まで理想に近づけることができるかを調査しましょう。
サンプルアルバムの借用は必須項目と言えます。
各業者はホームページやパンフレットでは耳ざわりの良い言葉で自社の製品をPRしますが(笑)、ここは百聞は一見にしかず。
実際の製品を手に取って、目で見て確かめ、アルバムの触りごこちや印刷の精度を確認することが大切です。
また、サンプルアルバムはデザインやページ構成のヒントにもなります。
4制作方法の検討
一番重要なのは個々の委員が、完成まで、ストレスなく楽しく作業を進めるような「制作方法と環境作り」です。
卒園アルバム制作を経験された保護者のほとんどの方が「思っていたより大変だった」と感想を述べられます。
つまり、委員発足当初、制作することを「大変」だとは思わず、進行していくうちに大変が積み上がっていったということに他なりません。
- 制作方法が私に合わなくて苦痛でしかなかった
- デザインの統一を求められ自由がなかった
- 制作の方向性で意見が決裂し、完成まで不穏な雰囲気が続いた
- 完成までのラスト1ヶ月は、完全睡眠不足
など、挙げればキリがありません。制作方法で問題が起きる一番の要因は「同調の強要」です。
切り貼りでやりたいがパソコン制作になった。パソコンが無い人が多いから切り貼りになった、デザインや方向性に統一のテーマを設けられた等が一例です。
これにより理想とされるのは「それぞれの委員に適した制作方法で行い、その内容には「他言を慎む」です。
委員が5人いれば5人の生活リズムがあり、しかもそれは絞り出さなくてはならぬほど貴重な時間です。他の委員に合わせることは至難の技でしょう。ぜひ、個々の自由を尊重して制作方法をご検討ください。
切り貼り制作
プリント写真を切り抜きし、原稿大の台紙に貼り付けて制作を進める方法です。
あえて切り抜きが醸し出すアナログ感覚を欲しいがために、デジタル画像をわざわざ何百枚とプリントして制作される方もいらっしゃるほど、卒アル制作ではスタンダードな方法です。
ですが「とてつもなく時間を要す」「失敗が許されない」「写真が多いと煩雑となり不評なことも」などのリクスもあり、このことから比較的時間に余裕があり、もの作りを好む、または挑戦してみたい方向けと言えます。
パソコン制作(業者ソフト使用)
業者が提供する卒園アルバム制作専用ソフトを使用します。
卒アルらしい豊富なイラスト素材、用意されてるテンプレートの使用、フリーで白紙からの制作など各社機能は様々ですが、原稿完成後にボタン一つで入稿でるきのは魅力的です。デメリットは
- デザインセンスが合わない
- 写真点数が制御される
- パソコンが無いとできない
- 機能が良くわからない
などが挙げられます。
パソコン制作(所有ソフト使用)
ワードやパワーポイントから始まり、Adobeイラストレーターやフォトショップまでパソコンにインストールされてるソフトで制作します。
昨今はWeb上で制作できるオンライングラフィックツールも登場し、独自の創造性を発揮されたい方向けの制作方法となります。
キッズドン!がグラフィックソフト未経験の方でも操作ができることでお勧めしてるオンラインソフトがあります。下のリンクより併せてご覧ください。
- パソコンが無いとできない
- スキルの学習をしながら制作する場合、相当の時間を要す
- データ消滅の恐れ
などになります。
業者依頼制作
制作に充てる時間は全くなく、また、喜ばれるアルバムをデザインする自身もない…といった境遇の場合、業者制作を検討されてはいかがでしょうか。
業者制作と聞いてまず思い浮かぶのは「料金」そして「デザインの品質」でしょう。
この二つがクリアできれば一刻も業者に依頼したいという方は、実は想像以上に多くいらっしゃいます。
キッズドン!の場合ですが、料金はアルバム本体価格にはじめから含まれており、クオリティについては成約前に「無料でのお試し」をして確認することができます。
お客様はどのページにどの写真を掲載するかを選ぶだけで、その後卒園アルバム専門のデザイナーがゼロからそのページデザインを行います。
卒アル委員の負担や期中に予測される問題を大幅に軽減させる「業者依頼コース(おまかせコース)」を選択肢の一つとしてご検討ください。
さて、ここまでの内容が、卒園アルバム業者に「見積」を取るための準備内容となります。概ねの方向性が決まったらば、早速見積依頼をしましょう。
業者見積依頼
複数の業者に見積もりを依頼
見積は、前述してきた様々な内容をまとめて依頼を行います。
見積請求は、複数の業者へ行うことをお勧めします。
各業者ごとに「出来る製本仕様」「出来るページ数」「出来る制作コース」が決めれてるることから、全社同一条件での見積請求はできません。
ですが、内容に対してどうリアクションをするかが評価ポイントとなります。
- A社:「できません」の一言
- B社:「できませんが、近い内容を提示いたします」と自社商品で条件に近いものを提示。
- C社:即座に電話が入り「ゆずれるポイント、ゆずれないポイントを詳しくお聞かせください」と積極的にアプローチ
といったように対応は様々と思われます。
長期に渡りその業者と二人三脚をしていくことから、相性の良いパートナーと組むことが必要です。
親身になって質問を聞いてくれるか、人として信頼できるかを観察して、ここに頼んで良かったと言える業者を見つけてください。
見積もりが出揃ったら
業者から見積が出揃い、ある程度候補が絞り込まれたらば、サンプルアルバムでその品質を確認し委員全体で協議します。
不明点がある場合、その場で業者に電話をかけ、スピーカーで委員全員が業者の返答をモニターするのが良いでしょう。申し送りの手間が省け、なにより委員全員の理解が深まります。
そして映えある1社が決定し、正式な申し込みをすることとなるのです。
おわりに
今回は、卒園アルバム制作担当になったけど、何から手をつけたら良いかわからない…どんな準備を行い、どんなポイントを押さえて、どう進行すれば良いかを解説する、シリーズ4回の第一回「事前準備編」をお届けしました。
実際の制作に入る前に、様々な行動を起こす必要があります。
繰り返しますが、卒園アルバム制作のプロジェクトは長期に渡るものです。
いかに快適にストレス無く進行させることが、成功の鍵と言えます。
それを左右するのは、この事前準備に掛かってると言っても過言ではありません。
ご不明点がありましたら、ご遠慮なくキッズドン!までお問い合わせください。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
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