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2025.1.13
意外と知らない?卒園アルバムの文字入力、フォントの大きさと種類の最低ノウハウ
こんにちは、卒園アルバム制作メーカー キッズドン!の宗川 玲子(そうかわ れいこ)です。
今回は「ワンポイント」でありながら主張が強く存在感のある「文字」についてお話しいたします。
「なんか今ひとつパッとしないな〜」と自己評価をしつつ、文字を入れたら「がらり」と雰囲気が変わって良くなった… という経験はありませんか?
そして、その逆もまたあり。
「文字を入れない方が全体がすっきりと見えるのに」というお悩みもあるあるです。
そんな「文字」についての扱いについて解説いたします。
- どんなフォントを使えばいいか
- サイズに法則はあるの?
- 動画のサムネのようなデザイン性の高い文字は使える?
- 文字は絶対いれなくちゃだめ?
- 文字の色使いでおすすめは?
目次
なぜ文字の大きさと種類が大切なの?
卒園アルバムを作るとき、多くの方は写真選びやレイアウトに集中して作業を進められます。
ですが意外と見落としがちなのが「文字」の扱い方です。
私が携わってきた卒園アルバム制作の中で、写真の質やデザインは素晴らしいのに文字のバランスが残念で、全体の印象が損なわれてしまうケースを見てきました。
今日は、そんな「文字」に関する大切なポイントのお話しになります。
まず「文字」に関して論じられることが多いのが「メッセージ」です。
メッセージは手書きとパソコン入力、どちらを選ぶ?
文字についての質問で多いのがメッセージを掲載する際の記述方法です。
直筆か、それとも入力か…
それぞれの特徴を整理してみます。
- 温かみがあって心に響く
- 時間がかかる
- 記述に自信がない方はストレス
- 部分的なやり直しが原則できない
- やや無機質な印象を受ける
- 手書き風フォントを使用して直筆に近づける
- 記述に自信がない方でも問題ない
- 部分的なやり直しが可能
このような点から昨今の主流は「入力」で行うことが主流と言えます。
ひと昔前と異なり、現代は何かと時間が無い状況が蔓延しています。
メッセージを書く先生や保護者の方もメッセージ制作に時間を取られたくないはずです。
メッセージは正直言って面倒
どんなに子どもに対して愛情があってもメッセージ作成は、正直面倒な作業です。
という一連の行動は、ついつい作業を後回しにしがちです。
そして「はっ」と気づくと提出締め切りがもうそこまでに迫ってる…
そんな状況下は当たり前のことで、仮に「直筆指定」とした場合、更に執筆者の負担は増えることでしょう。
メッセージ負担を裏付けるもの
私ども卒園アルバム制作メーカー キッズドン!の公式ブログで次のような記事をリリースしています。
これは保育園や幼稚園の先生に向けた「メッセージ執筆ノウハウ」の内容であり、数多くの例文も掲載しています。
2025年1月5日から1月9日までの5日間におけるこの2つのブログのアクセス合計は2,700ページビューあり、いかに「メッセージに対するヘルプ」が必要とされてるかを物語ります。
このことから卒園アルバム委員、卒対委員としては「メッセージは大切だが負担を強いるコンテンツ」ということに留意して対応するべきと言えるでしょう。
園児の「今」の文字を残したい
「園児」が文字を残すケースもあります。
- 氏名
- 簡易アンケート
- 先生へのお礼
この場合は「園児の直筆」を残すことをお勧めします。
バランスの取れない文字の大きさ、どうしても右肩上がりに傾く筆跡、なぜか左右逆転している一部のひらがななど「園児の今」を記録に残すのは絶好の機会です。
そこまで紙面に余裕がない
ですが、ページ構成上直筆を載せるスペースが無い場合があります。
特に園児は「大きく大胆に執筆」することから大人が記載するスペースでは収まりません。
その場合は「氏名」だけでも直筆表記にすると良いでしょう。
というわけで入力で行う方法でお話しを進めます
読みやすさが記憶に残る秘訣
お気に入りの雑誌や写真集を思い浮かべてみると、プロのデザイナーが作る本には必ず「読みやすさ」への工夫が隠されています。
現代の「文字表現」は急速に「シンプル化」してきています。
特にCMやPR要素のある媒体は、溢れる大量の情報から、いかに見る方に「文字」をキャッチしてもらうかに注力し、余計な装飾をせずストレートにシンプルなフォントで見せるかに掛かっていると言えます。
これらの事象から、ひと昔前の「装飾系」から「シンプル系」に変転し、そのトレンドは雑誌のタイトルをはじめ、あらゆる文字情報に影響を与えているのです。
卒園アルバムも同様
卒園アルバムも同様と言えます。文字が読みにくいと、せっかくの思い出がすっと頭から抜けてしまうリスクもあります。
逆に、適切な大きさと種類の文字はその場面の記憶を鮮明に呼び覚ましてくれる力があります。
たとえば運動会のリレーのシーンで「がんばれ!」という声援。
この言葉を小さな文字で控えめに入れるよりも、少し大きめのフォントで力強く表現する方が、あの時の歓声が蘇ります。
このように、文字の使い方一つで、アルバムから伝わる思い出の鮮やかさが大きく変わってきます。
タイトルとキャプションのフォントサイズ
よく相談いただくのが「文字の大きさはどのくらいにすれば良いですか?」という質問です。
これはアルバムのサイズや写真の点数によって変わってきます。
でも、基本を抑えれば迷うことなく理想的な文字の大きさを決められるはずです。
タイトルには大きめの文字を使おう
タイトルは、そのページの顔となる大切な要素です。
この見え方によってページの見え方が大きく左右されると言っても過言ではありません。
小さすぎると存在感が薄れてしまいますし、かといって大きすぎると主張が強すぎて写真が負けてしまいます。
どのくらいの大きさにすれば良いのか具体的な数字でご案内していきましょう。
見開きページで理想のサイズは?
A4サイズ見開きのアルバムを例に、理想的なタイトルの文字サイズをお伝えします。
- メインタイトル:36〜48ポイント
- サブタイトル:24〜36ポイント
- キャプション:18〜24ポイント
- メインタイトル:18〜24ポイント
- サブタイトル:14〜18ポイント
- キャプション:10〜13ポイント
掲載場所をあえて設けるか
理想としては文字を記載する部分は「写真を掲載しない」こととなります。
ですが、それを優先するあまり、写真が不自然な表示になったりしては本末転倒です。
あくまでも無理をせずに「文字掲載」場所が確保できればする、不自然なら写真の上に「影響のないように」かぶせる…で問題ありません。
文字の太さの選び方
文字の大きさと合わせて大切なのが「太さ」です。お勧めするのは次の法則です。
- メインタイトル:極太
- サブタイトル:丸ゴシック系の中太
- キャプション:丸ゴシックの細字
極太フォントでタイトルキャッチにインパクトを与え、写真を活かすことを優先に丸ゴシック系の中太で「遠足の訪問地」や「演目種目」を記し、さりげなく丸ゴシックの細字でキャプションを添える… といった雰囲気でまとめると、ページ全体が引き締まります。お試しください。
文字数の目安
写真1枚に対するキャプションは短いほうが印象に残りやすいと言われています。
経験上以下の文字数がベストだと感じています。
- 1行キャプション:15文字程度まで
- 2行キャプション:全部で30文字程度まで
「楽しかった運動会」という説明より「かけっこで1位!」という具体的な一言の方が、その時の様子が鮮明に蘇ります。
シンプルな言葉で、思い出をキャッチーに表現していきましょう。
おすすめのフォントの種類
アルバムの印象を大きく左右するフォント選び。
パソコンやグラフィップアプリに標準搭載されてるフォントや、フリーで取得できるフォントもあり、その数は星の数ほどあり選定は迷いに迷う事と思います。
「かわいいフォントを使いたい!」という気持ちはよく分かります。
ですが、あまりに装飾的なデザインフォントばかりを使うと、かえって読みにくくなってしまいます。
キッズドン!が使用するフォントは基本3種類
私どもキッズドン!も創業から13年の間、非常に多くのフォントを扱ってきましたが、最終的には「3つ」のフォントをベースに構成するに至っています。
- メインタイトル:DFP太丸ゴシック体
- サブタイトルとキャプション:ヒラギノ丸ゴPRO
- キャプションと吹き出し等の語りかけ:ふい字P・花とちょうちょ
フォントはアルバムを見る方の「好き嫌い」が明確になるシロモノです。
万人共通で及第点をいただくフォントを選ぶことが、制作者の使命とも言えます。
このことから「気を衒(てら)わず」「シンプル」で「読みやすい」フォント選定を最優先することをお勧めいたします。
タイトルに使えるおすすめフォント
前章でキッズドン!が使用している3つのベーシックフォントについてお話ししましたが、そのフォントを所有していない場合もあるでしょう。
ここでは、もう少し大きなくくりで、フォントのカテゴリーについてお話しを進めてまいります。
まずはタイトルです。タイトルはページの雰囲気作りの要となります。
明朝体とゴシック体の使い分け
明朝体は上品で落ち着いた印象を、ゴシック体は現代的でスッキリした印象を与えます。
それぞれの特徴を活かしてこんな使い分けをしてみてはいかがでしょうか。
・メインタイトル:太めのゴシック体
(例:遊び場での元気な写真には「HGPゴシックE」)
・思い出の文章:明朝体
(例:卒園に寄せる言葉には「MS P明朝」)
・行事名:中太のゴシック体
(例:運動会や発表会には「メイリオ」)
装飾フォントの上手な使い方
かわいらしい装飾フォントも、使い方次第でアルバムの魅力を引き立てます。
ただし、1ページに2種類以上の装飾フォントを使うのは避けたほうが良いでしょう。
キャプションに最適なフォント
写真の説明文であるキャプションは、読みやすさが最優先です。
ここで装飾的なフォントを使ってしまうと文字を追うのに苦労してしまいます。
シンプルで読みやすいフォントを選ぼう
キャプションには、どんなパソコンでも標準で入っている基本フォントがベストです。その1番の理由は「目が疲れにくい」からです。
写真を見て、自然とキャプションに目が移り、すっと内容が頭に入ってくる…
そんな心地よい読み心地を実現できるフォントを使うことをお勧めします。私のお勧めは以下の組み合わせです。
・写真の説明文:游ゴシック
・日付や場所:メイリオ
・園児の名前:HGPゴシックE
これらのフォントは、小さな文字でも潰れることなくクッキリと見えるのが特徴です。
アルバムを開いた誰もがスムーズに読み進められる文字選びを心がけましょう。
フォントを無料でゲット
恐らくパソコンやスマホに最初から入っているフォントだけでは物足りないと感じる方も多いと思います。
可愛らしいフォントを使って、より魅力的に仕上げたい気持ちはよく分かります。
ここでは、無料で使える素敵なフォントの入手方法をご紹介します。
目移りにご注意を
フリーフォントのサイトを閲覧すると「あれもこれもいい感じで全部使ってみたい」という衝動に必ずかられます。
ですが「アルバムを見る方の好き嫌いの好みを考えると採用できない」ものが大半という結果が予想されます。
繰り返しになりますが、私どもプロであっても、300種類以上のフォントを試し、結果「3つ」の使用をベースとするに行き着いています。
デザインフォントはアクセント程度に、メインはあくまでもシンプルで読みやすいものを選定することにご留意ください。
フリーフォントのダウンロード方法
優れたフォントは有料のものが多いですが無料でも十分素敵なフォントがたくさんあります。
ただしダウンロードする際は信頼できるサイトを選ぶことが大切です。
安全なフリーフォントサイト
私がお勧めする安心して使えるフリーフォントサイトは以下の3つです。
特に初めてフリーフォントを使う方は、まずはFONT FREEからスタートされることをお勧めします。
使用条件が分かりやすく表示されていてダウンロード方法も簡単です。
文字化けを防ぐ注意点
せっかくダウンロードしたフォントが文字化けしてしまっては残念です。これを防ぐためのポイントをお伝えします。
- データ形式は「OpenType(.otf)」か「TrueType(.ttf)」を選ぶ
- フォントのライセンスをしっかり確認する
- 商用利用可能かどうかチェックする(念のため)
スマホでフォントを扱う
「パソコンは持っていないけど、スマホで可愛いフォントを使いたい」というご相談をいただきます。
スマホでもアプリを使えばオリジナリティのある文字デザインが可能です。
スマホで使えるおすすめアプリは、オンライングラフィックツールの「Canva(キャンバ)」。
無料アカウントでも数多くのフォントが使えて、デザインフォントも豊富。さらに独自のフォントも追加できます。
特筆する点は「卒園アルバムのタイトルにふさわしいフォント」が揃っている点です。
これによりフリーフォントをダウンロードする必要もないかもしれません。
さらにインスタグラムのテンプレートアプリ等に搭載されてるような機能も完備です。例えば、
- 影付き
- 浮き出し
- 中抜き
- スプライス
- 袋文字
- ネオン
などのエフェクトが可能。しかもどれも細かい調整ができますので、きっと納得いく文字デザインが叶うことでしょう。
Canva(キャンバ)の取り扱い方法について解説したブログも併せてご覧ください。
文字を扱うコツ
先ほどからシンプルなフォントを選定することをお勧めしていますが、影をつける、袋文字を使用するなどのエフェクト効果はある程度施した方が効果的です。
黒要素の多い写真上には袋文字
例えばお泊まり保育のキャンプファイヤーや、水族館遠足での暗所シーンなどに「黒または紺色」の文字を重ねると、その文字は写真の暗さに吸収されて読み取れません。
これを解決するのが「袋文字」です。
文字の周囲を細い白線で囲むことで文字が明確になります。
またこの袋文字は、明るい背景でも「文字が輝いて見える」といった効果を生み出すことから、あらゆる状況に使用できるエフェクトと言えます。
1文字づつカラーを変更
卒園アルバムらしい雰囲気を作るうえで「カラフル」というキーワードは外せません。
文字の色を一つづつ変えるだけで、紙面は鮮やかな雰囲気になります。
影付き
背景となる写真が明るいシーンで、その上にある文字を強調したい場合「影付き」が有効です。
文字に立体感を与えることで、他の文字情報の2倍近くの視覚効果が期待できます。
ですが、影付きを濫発すると、紙面全体が「暗い雰囲気」となるので注意が必要です。
卒園アルバムの「タイトルデザイン」のポイントを紹介したブログ記事がございます。
よくある失敗例と解決方法
卒園アルバを作成していると、誰もが一度は経験する「あれ?うまくいかない…」という場面。
特によくある失敗例とその解決方法をご紹介します。これを知っておけば、スムーズに「文字」に関する制作を進められるはずです。
フォントを混ぜすぎてしまった
「可愛いフォントをたくさん使いたい!」という気持ちから「限定した方が良い」と分かっていても多量使用に踏み切ってしまう…。
その気持ち、良くわかります。
ですが、1ページに装飾的なフォントを3種類以上使うと、まるでお祭りのポスターのような賑やかすぎる印象になるのが関の山です。
せっかくの写真の魅力も半減してしまっては元も子もありません。
解決方法としては1ページにつき、装飾フォントは1種類だけに限定し、他は基本フォントで統一します。
そうすることで、アクセントが効いた見やすいページに仕上がります。
文字が小さすぎて読めない!
完成後に「読みづらそう…」と気付くケースが少なくありません。
特に写真の説明文(キャプション)は、スマホの画面で見ると大丈夫でも印刷すると予想以上に小さく感じることがあります。
この問題を解決するには、制作中に「実寸チェック」をすることがポイントになります。
スマホの画面を実際のアルバムサイズまで拡大表示して確認してみましょう。
文字が読みづらいと感じたらサイズ調整を行います。
また、文字と背景のコントラストも重要です。写真の上に文字を重ねる場合は、白い縁取りを付けたり、半透明の背景を入れたりすることで、小さめのサイズであっても格段に読みやすくなります。
おわりに
フォントの選び方や文字の大きさは、一見細かい話に思えるかもしれません。
でも、これらの小さな工夫の積み重ねが、見やすく愛着の持てるアルバム作りの秘訣であることは確かです。
今回お伝えしたポイントを参考に、ぜひ楽しみながら試行錯誤をして素敵な卒園アルバムを作ってください。
きっと子どもたちの笑顔とともに、このアルバムが大切な宝物になることでしょう。
皆さまの素敵なアルバム作りを心から応援しています。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます。それでは、また。
キッズドン! 代表 宗川 玲子(そうかわ れいこ)
(宣伝になります)
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